最近鳴りを潜めていた個人向け国債にちょっとした動きがあります。
それは、初回募集金利が0.05%ではなくなったということです。
この数年間マイナス金利下のため、個人向け国債の変動10年の金利は最低限度の0.05%にはりついたままとなっていました。
それが0.05%ではなくなってしまっているのです。
それを知ったのは以下のソースをご覧ください。
日本経済新聞の記事ですが、実際は非常に小さな記事でした。
そして、財務省の個人向け国債募集HPでもこのように表示されています。
変動10年の金利が年0.09%となっていることがわかります。
このようにいろいろなところでさくっと書かれていますが、実は結構重要に思えてならないのです。
個人向け国債の金利が0.05%を突破しだして感じたこと
個人向け国債(変動10年)の金利がついに動き出しました。
冒頭でもお話したとおり、どれだけマイナス金利になろうと年0.05%はキープされるという個人向け国債。
ずっと底を這っている状態となりましたが、変化が起こって感じたことについて考えてみました。
それはシンプルなものです。
金利が本格的に上昇していき、泣く人笑う人がでてくるということです。
個人向け国債(変動10年)は金利が上昇すればするだけ受け取れる金利が増えるという債券投資においてある意味掟破りな債券です。
しかも途中解約では時価での売却ではなく国(財務省)が100%で引き取ってくれるというこれまた掟破りなものですね。
もちろん若干のペナルティ(過去2回分の金利が差し引かれる。これも所得税分は割り引かれる)はあるものの、1年以上キープしていれば事実上損失は発生しないといういわば無双状態。
以前はそれなりに金利は変動していたのですが、現在の基準金利がマイナスという状況下ではその変動するというありがたいメリットが封印されてきました。
その封印が解けてしまい、今まさにパンドラの箱が開こうとする気分です。
これから金利がぐんぐん上昇するか、あるいはまたパンドラの箱が閉じてふたたび封印されるかはわかりません。
現在のところ、ずっと横ばいだったのが少しだけ上昇しただけかもしれませんが、このグラフをみてもちょっとした変化だと感じました。
ただ、今までの株価ばかりでなく、長期金利(10年もの国債)の推移もチェックしなくては足元をすくわれることに気をつけなくてはなりませんね。
個人向け国債(変動10年)の初回金利について
今回は初回金利が年0.05%とずっと底をはっていたのが少し上向いたことについて書いています。
次には発行されてから個人向け国債の初回金利がどの様になっているのかについてまとめてみました。
個人向け国債は2003年から2013年までは年4回、2014年からは毎月発行されていますが、すべてを表にすると膨大な量となりますので、毎年4月現在の利率についての表です。
年・月 | 利率(%) |
---|---|
2003年4月 | 0.05 |
2004年4月 | 0.55 |
2005年4月 | 0.73 |
2006年4月 | 0.85 |
2007年4月 | 0.87 |
2008年4月 | 0.57 |
2009年4月 | 0.50 |
2010年4月 | 0.53 |
2011年4月 | 0.51 |
2012年4月 | 0.64 |
2013年4月 | 0.42 |
2014年4月 | 0.40 |
2015年4月 | 0.05 |
2016年4月 | 0.05 |
2017年4月 | 0.05 |
2018年4月 | 0.05 |
2003年から2014年までは結構初回利率は変化していたため、結構購入しても楽しかったのですが、
マイナス金利になっていった2014年以降はずーっと最低限の0.05%から張り付いたままですね。
それがぴょこっと上回ったのはかなりの驚きです。
まとめ:国債の金利の変化に要注目です
今回、個人向け国債(変動10年)の金利が最低の年0.05%を上回るようになって感じたことについてお話ししました。
現在のところごくわずかな変化ですが、マイナス金利だった長期金利が上昇しているのは明らかです。
これが再びゼロ金利からマイナス金利へ戻るのか、あるいは上昇するキッカケの一つになるのか。
株式だけでなく、債券の金利がどのように変化していくのかについても再びチェックしていきたいと思います。
では、またよろしくです!
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