今日は私の投資家(?)として大事な一歩を踏み出す際に参考になった1冊の本をご紹介します。
それは木村剛氏の著書で「投資戦略の発想法」シリーズです。
この本がなければ今の私の投資スタイルがあったかどうかわかりません。
では、どのような本なのかみてみましょう。
「投資戦略の発想法」とは
この「投資戦略の発想法」とはどのような本なのかざっくりとご紹介したいと思います。
木村剛氏の著書
この本は元日銀マンで金融コンサルタントだった木村剛さんが書かれた投資本シリーズです。
過去4回出版されている
投資本シリーズとあるとおり、この本はいくつかの版があり、出版社もそれぞれ違っています。
初版本は講談社、最新版(2005年)はアスコム、2008,2010はナレッジフォアから出版されていました。
4巻とも読みましたが、現在では初版本のみ保有しています。まさにお守り状態ですね。
この本の内容
つぎにこの本の概要をご紹介します。
版は違っても運用商品の違いや追加コンテンツが増えている状態ですので、内容に大きな差はありません。
生活防衛資金をつくる
この本により有名になった概念があります。おそらく私のブログのような投資系ブログなら一度は目にしたことがある言葉だと思います。
生活防衛資金という概念です。
この概念は別の翻訳書である
ウェルス・マネジメント―FPのための資産最適運用の実践ガイド
の概念をそのままもってきたと後に知りましたが、木村さんの本で知った方のほうが多いと思います。
投資をする前に生活費の2年分を確保し、それは投資に回さずに預貯金でおいておくという考え方です。
これにより株や為替などの相場が暴落しても枕を高くして寝られるようにすることができると主張しています。
そしてこの生活防衛資金の資金量について議論がおこるなど有名な概念となりました。
節約は運用することと同じ
この本は投資本であるにも関わらず、次に出てくる概念が1%節約することは1%運用をしたことと同じという考えです。
つまり投資をする前に節約しなさいと書かれています。
また、今でも議論となる家を買うか借りるかなどの考え方についても明確な意見が述べられています。
株や投資信託で運用するのはそのあと
半分近くを生活防衛資金を蓄えることの必要性や、家計簿をしっかりと付けるなど節約の大切さをコンコンと述べられたあとでようやく株式や投資信託の買い方が説明されます。
このころはまだインデックスファンドがほとんど注目されていなかったので、個別株で20種類買うことを推奨されていますが、それでもインデックスファンドもいいと書かれていました。
私は個別株で運用する自信がなかったので、TOPIXインデックスファンド(三菱UFJ国際投信の「トピックスオープン」。いまもありますよw)でリスク商品を買い始めたのがきっかけです。
これらをトータルして、生活防衛資金をためて、株・国債・外貨預金の3分割ポートフォリオをつくる、20銘柄個別株式を買うという3段階投資戦略を取る、
これがこの本の趣旨です。
この本が私にとってのバイブルの理由
この「投資戦略の発想法」が私の投資におけるバイブルになっている理由をご説明します。
はじめて手に入れた投資本
この本は私がはじめて購入し、読んだ投資本です。
私が社会人となって数年後、そろそろ投資してみようかなとか、株を買ってみたいなぁとか思ったときに本屋さんに平積みされていたものをなかば衝動的に購入したものです。
本を読むのが今ほど得意ではなかった私にとってこの本は記述はわかりやすく、内容は深く書かれていましたので私の頭のなかに考えがすっと入っていきました。
たまたまとはいえこの本と出会ってしまったことがまず1つ目の理由です。
投資に対する考えと私のライフスタイルに合っていた
2つ目の理由として「私の考えとこの本の投資に対する考え方」が合っていたことがあげられます。
インデックスファンドを中心とする投資信託をこの本を読む前には買ったことがなく、預貯金オンリーだった私は、こつこつと財形貯蓄をしていた程度の知識しかありませんでした。
この本では株や為替などでがっつりと稼ぐスタイルの投資法ではなく、投資よりも節約、2年分の生活費用を生活防衛資金として確保するというきちんと足元を固めろと言わんばかりのことに記述のかなりの割合が割かれていました。
投資本にも関わらずです。
この投資よりも節約を優先する考え方に私のライスタイルがマッチしたことも良かったのだと思います。
Grow rich slowlyの考えがぴったりあてはまった
3つめの理由として、この本のキャッチフレーズである“Grow rich slowly(ゆっくり確実に金持ちになろう)という方針がしっくりと来たことです。
私はこの本を買ってから15年程度経過しますが、大金持ちにはなれていません。
しかしながら金融資産3000万円超えのアッパーマス層にはなることができました。
文字どおりゆっくりと資産が育っていることがこの本を読み、考えに共感し実践してきたことから間違いではなかったのかなと思っています。
関連図書の紹介が秀逸
そして最後に関連図書の紹介がすばらしかったこともあげられます。
「投資戦略の発想法」では最後に関連図書の紹介がされています。
インデックス投資ブログを読んでいるとおすすめな図書ばかりです。
- ウォール街のランダム・ウォーカー
- 敗者のゲーム
- インデックスファンドの時代
などがそうです。
この本を読まなければこれらの本と出会うことはおそらくなかったでしょう。
現在みたいに山崎元さんや竹川美奈子さん、岡本和久さん、それに路線が変わってきわめて残念ですが内藤忍さんのような日本人が書いた秀逸でわかりやすい投資本がない状況下でこれらの本に出会えたのはほんとうに良かったと思っています。
現在ではあえて実践していない
こうやって非常に参考になったバイブルではありますが、現在ではあえてこの生活防衛資金の概念からは脱却するようになっています。
ただこれは資産が少しずつ育ってきて、あえてステップアップするために行っているもので、生活防衛資金を蓄える経験がなければ違った投資スタイルになっていたと思います。
これについては別記事に書いていますのでぜひ読んでみてください。(最後にリンクを張っています。)
この本がなければ・・・
かりにこの「投資戦略の発想法」がなければ私はどのような投資スタイルになっていたのかをちょっと考えてみました。
金持ち父さん貧乏父さんがバイブルになっていた!?
初版本が出版されたとき、ベストセラーになっていた投資本があります。
そう、ロバート・キヨサキ氏の金持ち父さん貧乏父さんシリーズです。
私は同じコーナーに山積みになっていたこのシリーズを買わずに、「投資戦略の発想法」を買ったのです。
すると「投資戦略の発想法」がなければおそらく「金持ち父さん貧乏父さん」を買っていたことでしょう。
そして不動産売買にのめり込んでいたかもしれません。
あるいは個別株売買に燃えていたかもしれません。
リスクを取らないとと思い信用取引で二階建ての取引をしていたかもしれません。
チャート本を読み漁っていた!?
いっぽうでチャートの読み方の本をも読み漁っていた可能性も考えられます。
過去の推移にすぎないチャートで未来を読もうとするいわばチャーティストになっていたのかもしれません。
「投資戦略の発想法」を読み始めたときには同時に一目均衡表の読み方も気になっていたくらいですので、大いに有り得る状況でした。
リーマン・ショックで破産していたかも!?
この本を読みはじめたのが2002年のことですので、それから6年後の2008年から2009年にかけてのサブプライム問題やリーマン・ショックといった経済的な災害にもしっかりと見舞われています。
このころはもっぱら生活防衛資金を蓄え終わり、そろそろ本格的に投資しようかと思っていた時期でしたので思ったよりも傷が浅かったことが思い出されます。
もし「投資戦略の発想法」を読んでいなければガッツリ株を買っていた可能性があるので少ない資産が大ダメージを受けていた可能性がありますね。
それで市場から退場みたいな事態になってしまうと、もう株はしねーと思っていたかもしれません。
まとめ
今回は私にとってはじめて手に入れた投資本であり、いまだにバイブルになっている木村剛さんの「投資戦略の発想法」について感じたことを書いてみました。
この本と出会って15年になりますが内容に少し古さはありますが、考え方についてはまったく問題がありません。
著者が日本振興銀行の疑惑で表舞台から去ったのは非常に残念ですが、この本は一読の価値があると今でも思っています。
すでに絶版になっていると思いますので、中古本か図書館で見つけたときにはぜひ読んでみてくださいね。
では、またよろしくです!
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