出典:MSCI ACWIパンフレット2017(英語・PDF)
「全世界株式インデックスファンド」という日本を含む先進国や新興国を含む全世界の株式を一つにまとめたインデックスファンドがステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズから発売されることになりました。
国際分散投資派の私としては巷で話題のS&P500インデックスファンドよりもこちらのほうが関心を持ちましたので今回はこのファンドについて振り返ってみるとともに感じることを書いてみたいと思います。
このファンドについて感じること
私がこのファンドが発売されることについて感じたことを書いてみたいと思います。
5年早く出ていればなぁ
それはなんといっても5年早く発売されていれば真っ先に投資していたのにという気持ちです。
このファンドが登場するまでは日本を含む世界の株式に投資するためには以下の3つの方法しかありませんでした。
- 日本:TOPIXインデックスファンド 先進国:MSCIコクサイインデックスファンド 新興国:MSCIエマージングインデックスファンドの3ファンドに投資
- 日本:TOPIXインデックスファンド 日本以外:全世界(日本を除く)インデックスファンドに投資する
- VTやACWIなどの海外ETFを購入する
いずれにせよ国内で通常販売されているファンドとしてはなんらかの手間が生じていたわけですね。
それが国内の証券会社で販売されるインデックスファンドとして1ファンドで日本を含む全世界の株式インデックスファンドが購入できたことはとてもいいことであると思います。
ただ・・・・信託報酬が高すぎます。
現在EDINETで公表されている情報によると信託報酬率は年0.48%(税別)です。
これだとeMAXIS先進国株式インデックスファンド(Slimではない)やSMTグローバル株式インデックスの信託報酬水準です。
日本・先進国・新興国の3ファンドを1:8:1の割合で組み合わせればeMAXISSlimだと概ね0.21%程度の信託報酬率となります。
現状では販売会社は三井住友信託銀行のみですので、ポイント面でのメリットはありません。
2017.11.9訂正
発売後販売会社が増え、現在ではネット証券・銀行でも取り扱われるようになりました。
販売会社は後に表にまとめていますのでご覧ください。
これが販売会社が増えて他のネット証券でも取扱されるよう期待したいですね。
ネット証券での取扱になりますとポイント(SBI証券の投信マイレージなど)還元の対象となればコスト負担感も和らぎますので期待したいと思います。
全世界株式インデックスが1つでまとまった意義は大きい
コストが高いとはいえ、今まで複数のファンドやETFでないと全世界株式のインデックスファンドがカバーできなかったものが1本のファンドで賄えるようになった意義は大きいと思います。
これを1本買っておけば日本を含む全世界の株式をカバーできるのは投資をするにあたってのめんどくささを和らげることができます。
つみたてNISAも始まりますので、全世界株式インデックスも8資産均等型バランスファンドと同じようにコスト面での競争が生まれることを期待したいですね。
追記:強力なライバルも出現しています
2017.11.9追記
この記事を書いた後に新たに強力なライバルが出現しました。
楽天投信投資顧問から登場した新ファンド楽天・全世界株式インデックス・ファンドです。
海外ETFを活用した低コストでの運用を実現しているこのファンドの登場で全世界株式のインデックスファンドの選択肢が増えました。
詳細は以下の記事をお読みください。
全世界株式インデックスインデックスファンドについて
次にはこの全世界株式インデックスファンドについてみてみたいと思います。
取扱開始日
2017年9月8日(金)
販売会社
取り扱い販売会社 | 取り扱い開始日 |
---|---|
三井住友信託銀行 | 2017.9.8 |
マネックス証券 | 2017.9.8 |
SBI証券 | 2017.9.15 |
東北銀行 | 2017.10.23 |
楽天証券 | 2017.10.27 |
中国銀行 | 2017.11.6 |
松井証券 | 2017.11.27 |
ベンチマーク
MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(円ベース)
信託報酬
信託報酬は0.48%(税込0.5184%)となっています。
支払先別の信託報酬(税別)は以下のとおりとなります。
支払先 | 信託報酬率(年率) | どのようなところへ? |
---|---|---|
委託会社 | 0.20% | ステート・ストリート |
販売会社 | 0.25% | 証券会社・銀行など |
受託会社 | 0.03% | 信託銀行 |
MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスについて
このファンドのベンチマークであるMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスについてもまとめてみました。(2017年6月現在)
このベンチマークは全世界の先進国(日本を含む)・新興国の株式市場の状態を示すインデックスとなっています。
MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスは全世界の先進国・新興国の株価の値動きを示していますが、構成している国の数は
- 先進国(日本を含む):23カ国
- 新興国:24カ国
合計すると47カ国で構成されています。
国別の配分は以下の表のとおりとなっており、アメリカ・日本・英国の順となっています。
国名 | 割合 |
---|---|
米国 | 52.64% |
日本 | 7.73% |
英国 | 5.82% |
フランス | 3.47% |
中国 | 3.15% |
その他 | 27.19% |
投資している株式の種類は以下の通りとなっています。
株の種類 | 割合 |
---|---|
大型株 | 70% |
中型株 | 15% |
小型株 | 14% |
詳しくは値動き等のグラフもある出典のパンフレットをご覧ください。
出典:MSCI ACWIパンフレット2017(英語・PDF)
まとめ:やっと出たけどコストが高い
今日はステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズからリリースされる全世界株式インデックスインデックスファンドについてお話ししました。
コストが現状では高いことや販売会社が1社(三井住友信託銀行)しかないことから現状ではファンドがどのようになっていくかはわからない状況です。
しかしながら、今までありそうでなかった日本を含む全世界の株式インデックスファンドがリリースされた意義は大きいと思います。
このファンドがリリースされたことをきっかけに8資産均等型のバランスファンドと同じように複数の同様なファンドが登場し、コスト面での競争を期待したいですね。
この記事が参考になれば幸いです。
では、またよろしくです!
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