2019年6月現在、2000万円という数字が世の中をざわつかせています。
そうです。
金融庁が発表した金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」(PDF) という答申で、平均的な金融資産と老後の備えとして必要な金額の差が2,000万円以上としたうえで、
自助努力としてこの資産を作るべきだという意見が出ています。
現在、私はこの2,000万円という資産は作ったうえでさらに資産を殖やしたいと思っている一人です。
就職し、貯金がゼロの状態からどのようにして2,000万円まで金融資産を増やしたのか思い出してみることにしました。
ちなみに私が大学を卒業し、就職してから15年ほどかかって資産をゼロから2,000万円まで増やしてきました。
この記事ではどのようにして増やしたのか、そしてどのようなモチベーションが必要だったのかについて考えてみたいと思います。
ゼロから2,000万円まで金融資産をふやした方法
就職してから15年ほどでゼロから金融資産を2,000万円までふやした私なのですが、どのようにして増やしたのでしょうか。
次にお話する3つの方法を組み合わせて、15年ほどかけて2,000万円の資産を作っていきました。
これらは普通にネット証券やお勤め先に制度があれば簡単にできるものばかりです。
財形貯蓄を基本に
まずなんといっても財形貯蓄を始めたことです。
私は新入社員のときから現在に至るまで月3万円、ボーナス20万円を財形貯蓄として蓄えてきました。
1年間にすると76万円。
これを15年続けただけで1,140万円になります。
何もリスク資産の運用をするのではなく、ひたすら天引き貯金を蓄えるだけで1,000万円以上は蓄えることができるのですね。
若いときにはお給料も少なく(私も一人暮らしでした)、使えるお金も少なかったのですが、先に貯蓄してから残りを使うという方法を取り入れることで知らず知らずのうちに資産を作っていくことができました。
この地味な作業が、後々の資産を作るベースになるといっても過言ではありません。
現在でも財形貯蓄は続けており、投資待機資金として重要な役割を果たしています。
個人向け国債を購入
財形貯蓄で蓄えられていき、比較的まとまった金額になると購入したのが個人向け国債や高金利定期預金です。
現在残念ながら高金利定期預金の購入はできませんが、当時は金利年1%を超えるような定期預金が発売されていましたのでまとめて預けるようにしていきました。
その後、金利の低下がつづき、高金利定期預金が消滅していくと購入したのが個人向け国債(変動10年)です。
これは、金利(10年もの国債利率:長期金利)の変動に応じて金利が上がったり下がったりするタイプで、通常の定期預金よりも金利は高く、しかもマイナス金利となろうが、年0.05%は保証されるので土台として築いていくのにはぴったりです。
現在も個人向け国債(変動10年)は保有しており、こちらは生活防衛資金としてなにかあったときのためにキープし続けています。
インデックスファンドの購入
その後購入しだしたのが、インデックスファンドです。
個別株を購入しても良いのでしょうが、決定的に博才のない私は個別株で一山当てることは不可能と判断し、平均点が取れるインデックスファンドをひたすら購入していきました。
当時はまだまだコストも高く、NISAやつみたてNISAといった非課税制度もなかったですが、これくらいしかリスク資産を積み上げるのは無理だと思い、損失がでても損切りすることなく、ひたすら積み立てています。
現在も手法は変わりました(ドルコスト平均法からバリュー平均法)が、インデックスファンドをベースに資産を積み上げているのは変わりありません。
コストが低いものや、海外ETFといった新しい投資商品が登場すると乗り換えまくってきましたが、現在ではローコストインデックスファンドシリーズ(eMAXIS Slim,ニッセイ<購入・換金手数料なし>インデックスファンドシリーズ)で落ち着いています。
固定費を減らした
私の場合にはさらに節約したものがあります。
それは固定費です。
そのなかでも、車を手放すことで車に関係する費用の節約をおこないました。
誰にでもおすすめできることではないのですが、現在では生命保険も解約することや携帯電話を格安スマホにすること、外食をしないことで節約生活を送るようになりました。
2,000万円の資産を作っていくのに必要なもの
2,000万円の資産を築いていくのに必要な金融商品は簡単に手に入ることがわかりましたよね。
ただ金融商品を知るだけではこれだけの資産を築いていくことはできません。
つぎに2,000万円の資産を作っていくのに必要だと思うことについてまとめてみます。
ひたすら続けていく力
一番に感じるのはこのひたすら続けていく力ですね。
冒頭でもお話ししましたが、何もリスク資産に投じなくても月額3万円、ボーナス20万円の合計76万円を15年ほど積み立てただけでも1,000万円以上はたくわえられます。
非常に長期間になり、インフレで価値はさがるかもしれませんが、30年もがんばれば利息収入がなくても2,000万円はたまります。
ここで何がいいたいのか。
どのような状況でも積み立てをやめないという強い意志が必要なのです。
どうしてもお金が足りなくて、財形を解約したいと思うときはあると思います。
そこで踏みとどまるか、あるいは解約してしまうかで大きな分かれ道になるのではないでしょうか。
踏みとどまって、まとまった資金を作り、それをもとにリスク資産に投じることができればマーケットの波もあるでしょうが、私の場合には天引き貯金をつづけてきた忍耐力をもってすればマーケットの波もなんとか耐えることができました。
ですので、何よりも継続は力なりということを一番に取り組んでいただきたいと思います。
マーケットは思ったよりもえげつない
財形貯蓄といった貯蓄は地味に増えていきますが、決して一気には増えません。
ここで一気に資産を増やしたいと思うのも無理もありません。
ちょっとたまった資金を一気に株式などに投じたい気持ち、よくわかります。
しかしながら、株式市場などのマーケットは思ったよりも容赦ないと思ったほうがいいと思います。
短期間で、資産が半減することも決して珍しいものではありません。
この急激な資産の変動にあなたは耐えられることができるでしょうか。
もし厳しいなぁとちょっとでも思ったならば、地道に財形貯蓄や自動積立定期貯金にしたうえで、少しずつリスク資産に投資していくことをおすすめします。
現在ではありがたいことに、端株(100株未満の株式)や投資信託など少額から取り組めるリスク資産がたくさんあります。
基本は貯蓄したうえで、少しずつこれらのリスク資産に投じることで、マーケットに自分がどのように振り回されるのかを知ることができます。
振り回されるばかりでなく、うなぎのぼりになることもありますので、その経験を生かしてリスク資産を運用するというトレーニングを積んでみてはいかがでしょうか。
長期間マーケットに身をおき、自分なりの相場観をもてるようになってからでもリスク資産メインの運用をするのも遅くはありません。
節約力も実は大切
貯金、資産運用だけでもなんとか資産を増やすことはできるでしょう。
しかしながら、それだけでなく固定費を減らすという努力は必要だと思います。
1%の費用を節約したことは1%の運用利回りを得たと考えていい。
1%の運用利回りを得ることは難しいですが、1%の節約は簡単なのではないでしょうか。
ただ、食費などを削るとしんどくなるので、車や保険、そして通信費などの固定費をいかに安いものに切り替えられるかといった節約力も大切であると感じています。
まとめ:2,000万円つくるのは難しくもないが、結構しんどいです
今回、金融庁の答申によって年金を含む資産額と必要な生活費に月額5万円、トータルで2,000万円が自助努力で必要となることが話題となりました。
その2,000万円をいかにして作るかということを考えてみましたが、決して難しいものではないけど続ける力が必要ということがわかりました。
いきなり、これだけのことを続けるのは正直厳しいでしょう。
しかしながらひとつひとつ取り組むことにより、自分の資産が増え、さらにカイゼンを施していくことで目標とする2,000万円の資産を作ることができるのではないでしょうか。
関連記事では、それぞれの金融商品の使い方などをお話ししていますので、ぜひお読みいただけたら幸いです。
では、またよろしくです!
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