Twitterのフォロワーさんからちょっとした質問をいただきました。
「損益通算というものがよくわからない」と。
私も長期間投資をしていて損益通算は当たり前にようにやってきています。
しかしながら最近投資を始めた方にはこの概念がなく、ちょっと言葉の響きからみても難しく感じられるのかもしれませんね。
率直に言ってしまうと全く難しいものではないのですが、一度経験してしまうと必ずやっておかないともったいないくらい大切な作業ですね。
この記事では株式や投資信託に投資されている方にはぜひ身につけていただきたい損益通算のことについてご紹介します。
併せて私がどのようにして損益通算を行っているかについてもご紹介していきたいと思います。
この記事でご紹介するものはあくまで私自身の経験をお話ししたものですので正確性を保証するものではありません。
正確な情報・具体的な方法につきましては証券会社・税理士・税務署等におたずねください。
この記事では特定口座・源泉徴収ありの口座を想定しています。
損益通算ってなに?
まず損益通算とはどのようなものなのでしょうか。
僕が説明する前にまずあらためてググってみました。
損益通算とは、一定期間内の利益と損失を相殺することです。上場株式等の投資を行って利益(譲渡益や配当など)が出た場合は税金がかかりますが、一方で損失が出た場合には利益から差し引いて、その分だけ税金を減らすことができます。それでもマイナスになった場合、確定申告を行うことで最長3年間損失を繰り越して控除することも可能です。
出典:SMBC日興証券HP
端的にまとまっているので読めばわかるかもしれませんが、私なりに解釈してみました。
株式や投資信託を買うと利益が出たり、反面損失が出たりします。
当然ながら、利益が出ると所得税・住民税で20.315%の税金がかかってしまいます。
ところが、損が出ているとそのままで、利益が出ていると税金がかかるというのは嫌ですよね。
そこで、1年間を通じて利益と損失を計算して利益が出ていれば税金がかかり、損失のほうが多ければ税金はかからないという仕組みになっています。
この計算を証券会社でやってもらったり、確定申告で自分で行ったりする作業が損益通算というんですね。
マイナスの方が大きければ3年間繰越ができますので、翌年でも利益が出た場合は前年の損失と通算ができるという仕組みになっています。
次にはこの損益通算の計算をどうやっているのかについてご紹介しましょう。
口座が一つの証券会社のみの場合
まずは持っている口座が一つの証券会社のみの場合です。
通常は特定口座(源泉徴収あり)で口座を開設されていると思いますのでこのパターンでご紹介しますね。
といっても大したことは何もなくて
証券会社でぜーんぶ自動的にやってくれます。
取引の都度利益が出ていれば税金が自動的に徴収されて、1年間通じて払いすぎた税金があれば翌年の頭に帰ってきます。
ただし、損失の3年間繰り越しをするときには確定申告が必要ですので注意しましょう!(つぎに説明しますね)
複数の証券会社に口座がある場合
次には複数の証券会社で通算したり、利益よりも損失が大きかった場合です。
損益通算は一つの証券会社だけではなく、口座を持っている複数の証券会社間でも損益通算はできるんですね。
さらに、さきほどお話しした1社だけの場合でも1年間計算してみて利益よりも損失の方が大きければ3年間損失を繰り越すことができます。
これらに必要な作業があります。
それは・・・
確定申告です。
特定口座を持っている場合の確定申告は1回やればそれほど難しいものではありませんので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
NISAには損益通算の概念がない
ここで気をつけておきたいのがNISA(一般・ジュニア・つみたて)口座です。
NISA口座では利益が出ていたら非課税なのは有名な話なのですが、気をつけておきたいのが
損失が出たとしても損益通算はできないんです。
NISA口座では利益・損失という概念がなくなってしまいますので、損益通算はできないことになっています。
やはり税金はかからないけど、損失は申告できるという甘いことはないですね。
ここは重要ですので気をつけていただければと思います。
どうやるの?
つぎにどうやるのかについて考えてみました。
あくまで私が経験したことですので、間違っているかもしれません。
その際にはご指摘いただけたら幸いです。
口座が一つの証券会社のみの場合
まずは持っている証券会社が一つのみの場合です。
基本的には何もする必要はありません。
証券会社が自動的に計算をしてくれて、利益が出ていれば税金が徴収されて、損失があった場合には1年間まとめて計算されます。
税金がとられすぎていたら、翌年1月に口座にお金が還ってきます。
以上!
簡単ですね。
次からは確定申告が必要な場合です。
複数の証券会社をからめてする場合・損失を繰り越す場合
次には複数の証券会社間で損益通算をしたり、損失を繰り越す場合です。
こちらは確定申告が必要となります。
そして用意するものは
- 源泉徴収票
- 特定口座年間取引報告書
- マイナンバー関連書類・本人確認資料
です。
詳しくは以下のページをご覧いただけたらと思います。
最初は難しく感じられるかもしれません。
ただ、確定申告書作成コーナーでは自動的に計算も行ってくれますし印刷や、提出書類などの指示もしてくれますのでとっても簡単です。
ぜひチャレンジしてみてくださいね!
感じること
損益通算という名前は難しく聞こえる言葉なのですが、やりかたなどについてお話ししました。
そこから感じることについてまとめてみました。
そこまで難しく考える必要はない
株式や投資信託の損益通算はそこまで難しく考える必要はないと言えます。
基本的には特定口座の源泉徴収タイプの口座だと税金の計算は証券会社で自動的に行なってくれますので利用者としてはなにもする必要はありません。
しかも払いすぎた税金はサラリーマンの年末調整のように翌年の初頭に還ってきますので税金を取られすぎたということもありませんので心配してくださいね。
確定申告も慣れれば簡単
確定申告書は国税庁の確定申告書作成コーナーを利用すると計算も簡単にできます。
さらに必要な書類の「モデル書面」がでて、そこにある数値を入れてくださいとガイダンスにしたがって入力すると簡単に作成できます。
一度チャレンジすると翌年からは当たり前のように確定申告書を作成できますので、まったく確定申告をしたことない方は一度挑戦してみてはいかがでしょうか。
時間もシンプルな損益通算ならば時間もかかりませんのでおすすめです。
支払いすぎの税金は取り戻そう
そして最後には支払いすぎた税金は取り戻そうと思うことですね。
損益通算で確定申告を行うということは支払いすぎた税金を取り戻すために必要な作業です。
誰でも税金を取られすぎるのは嫌なものです。
ちゃんと認められた制度のもとで取られすぎた税金を取り返したり、あるいは翌年の利益と通算させたりするということで、自分がどのような税金を支払っているかを学習できます。
そのことにより税金の理解が少しでも深まるのではないでしょうか。
まとめ:1度やれば簡単です
今回損益通算とはどのようなものなのか、そしてどうすればいいのかについて考えてみました。
基本的には証券会社で自動的にやってくれますが、それでカバーしきれないものは確定申告が必要であるということ、
そして確定申告書を作るのはそれほど難しくなくチャレンジするといいのではないかということです。
確定申告をすると聴くとものすごく難しい作業をするかのように聞こえます。
しかしながら、紙に書いていた頃と違って、確定申告書作成コーナーという便利なものがありますので計算間違いもなく、簡単に作ることができます。
ですので一度やってしまえば抵抗なく損益通算の作業を行えますのでおすすめです。
これにより自分が利益をだしたり、損失をだしたりしたときの税金の扱いを学習できたいいのではないかなと思いますね。
では、またよろしくです!
この記事はあくまで個人的な経験を書いたものです。詳しくは税務署や税理士さんなどにおたずねください。