楽天投信投資顧問から楽天・全世界インデックス・ファンド、楽天・全米株式インデックス・ファンドにつづく「楽天・バンガード・ファンド」シリーズ第3弾がが発売されることになりました。
その名も「楽天・新興国株式インデックス・ファンド」というものです。
「楽天・バンガード・ファンド」シリーズはアメリカのバンガードがニューヨーク証券取引所に上場しているETFに投資する投資信託です。
楽天・全世界インデックス・ファンドはバンガード®・トータル・ワールド・ストックETF(ティッカー:VT)、楽天・全米株式インデックス・ファンドは「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF」(ティッカー:VTI)へ投資する一方で
この度発売される「楽天・新興国株式インデックス・ファンド」は「バンガード®・FTSE・エマージング・マーケッツETF」(ティッカー:VWO)に投資する投資信託となります。
今回はこの「楽天・新興国株式インデックス・ファンド」についてご紹介します。
2018.9.23 追記
楽天・新興国株式インデックス・ファンドがリリースされたあと第1期の決算があり、運用報告書が発行されました。
そこで、第1期の決算についてご紹介します。
「楽天・新興国株式インデックス・ファンド」について感じたこと
私はこのファンドが登場したことをみて本当にインデックス投資家にとって良い時代だと感じました。
今までは、インデックスファンドとして新興国へ投資する場合には実質的なコストとして1%超のファンドばかりだったものです。
それが後でもご紹介しますが、ETF,投資信託両方あわせて0.27%弱の信託報酬で運用できるのですから。
低コストもすごいのですが、「楽天・バンガード・ファンド」シリーズは通常の投資信託として100円からの積み立てに対応しています。
多少のコストアップや税制面のデメリットを差し置いても利用者へのメリットは大きいものだと感じています。
来年からスタートするつみたてNISAでも対応することが予想されますので今はアメリカや日本の株式市場が堅調なため新興国への投資は控えられがちな雰囲気ですが、
私は国際分散投資派として新興国への投資は割合は少しでも入れたほうがいいという考えです。
その新興国株式へ投資するファンドとしてはいちばん良いのではないかと感じました。
このような方におすすめします
私なりに考えてみて、以下のようなタイプの方がこのファンドをに投資されることをおすすめします。
- 積み立て投資で今までよりもローコストで新興国株式への投資したい方
- 楽に投資をしたいと考えられている方
- バンガードのファンの方
まずはじめの積立投資でローコストで新興国へ投資を考えられる方ですが、
VWOというETFとこのファンドの取り分の2つが重なっても今までのローコスト新興国株式インデックスファンドよりも信託報酬が低くなっています。
そのため最初に新興国株式に投資する際どのファンドにしようと考えられている方にはオススメです。
次の楽に投資したいと考えられている方ですが、投資信託のメリットである100円からの投資や、自動積立などに対応しています。
そのため、ETFをダイレクトに購入するよりも購入するためのハードルが低くなりますので簡単に購入することができるというメリットがあります。
このような方は見送ったほうがいいかも
いっぽうで以下の条件の方は見送ったほうがいいと思います。
- ETF(VWO)を直接買付できる方
- すでにローコスト新興国株式インデックスファンドに投資されている方
このファンドは海外ETF(VWO)を買い付けるという投資信託です。
そのため、直接海外ETFを買い付けることができる方は単なるコストアップしかありませんのでおすすめしません。
そしてすでにローコスト新興国株式インデックスファンドに投資されている方ですが、安くなったとはいえ他のインデックスファンドと比較しても信託報酬は0.1%程度しか安くなりません。
そのわずか0.1%のためにファンドを乗り換えるのは適当ではないと私は考えています。
次はこの「楽天・新興国株式インデックス・ファンド」についてみてみたいと思います。
「楽天・新興国株式インデックス・ファンド」の概要
つぎには「楽天・新興国株式インデックス・ファンド」について見てみましょう。
現在はまだ発売されていませんのでEDINETからの情報となりますので変更の可能性がありますのでご了承ください。
信託報酬
まずは新しいファンドが登場すると気になるのがこの信託報酬ですよね。
先日登場した2種類の「楽天・バンガード・ファンド」は非常にローコストが売りのファンドです。
この「楽天・新興国株式インデックス・ファンド」も予想通りのローコストです。
バンガード®・FTSE・エマージング・マーケッツETF | 年0.14%(管理報酬) |
楽天・新興国株式インデックス・ファンド | 年0.1296% |
両方あわせたコスト | 年0.2696% |
実質的なコストは決算を経ないとわかりませんが、現在投資信託説明書(交付目論見書)で発表されている情報ですと、以上の信託報酬となっています。
ちなみにライバルとなるのが通常のインデックスファンドですが、eMAXIS Slim 新興国株式インデックスと比較してみると
インデックスファンド名 | 信託報酬 |
---|---|
eMAXISSlim 新興国株式インデックス | 0.3672% |
楽天・新興国株式インデックス・ファンド | 0.2696% |
比較差 | 0.0976% |
と2つの信託報酬が加わってもローコストインデックスファンド以下となってしまいます。
また、同様に気になる信託財産留保額
ですが、以下の通りとなります。
インデックスファンド名 | 信託財産留保額 |
---|---|
eMAXIS Slim新興国株式インデックス | なし |
楽天・新興国株式インデックス・ファンド | なし |
こちらはともに信託財産留保額がゼロになっています。
販売会社・発売時期
この「楽天・新興国株式インデックス・ファンド」が発売された際の販売会社および発売時期ですが有価証券届出書に記載されているのは以下の通りとなっています。
今回はネット証券大手3社がほぼ同時に取扱が開始されますね。
SBI証券だけは他の2社と異なり11月18日からの取り扱いとなりますので注意していただければと思います。
つぎにはこのファンドが投資するETF「バンガード®・FTSE・エマージング・マーケッツETF」についてご紹介します。
バンガード®・FTSE・エマージング・マーケッツETF(VWO)について
つぎにご紹介するのが「楽天・新興国株式インデックス・ファンド」が投資するETFであるバンガード®・FTSE・エマージング・マーケッツETF(VWO)についてざっと振り返ってみます。
このETFは FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)・インデックスの指数への連動させるよう運用されるものです。
概要
ティッカーシンボル:VWO
上場取引所:ニューヨーク証券取引所(NYSE Arca)
設定日:2005年3月4日
ETF純資産総額:556.45億米ドル(2017年6月30日現在)
投資国・割合
投資している国の割合は以下のとおりとなっています。
国名 | 割合 |
---|---|
中国 | 29.0% |
台湾 | 16.1% |
インド | 11.9% |
ブラジル | 7.6% |
メキシコ | 4.3% |
タイ | 3.8% |
ロシア | 3.6% |
マレーシア | 3.5% |
インドネシア | 2.7% |
注意したいのはこのファンドは韓国へは投資していないということです。
なぜならこのファンドが指標とするFTSEのインデックスでは韓国は先進国扱いとなっているからです。
そのため、韓国へ投資したい方は別のファンドに投資する必要があります。
通常の新興国株式への投資するインデックスファンドはMSCIのインデックスを採用しています。こちらは韓国は新興国扱いのため投資国に含まれています。
詳細については以下のページをごらんください。
バンガード®・FTSE・エマージング・マーケッツETF(PDF)
2018.9.23 追記:第1期決算を迎えました。
楽天・新興国株式インデックス・ファンドが発売されてから最初の決算を迎え、楽天投信投資顧問から運用報告書が発行されました。
信託報酬や有価証券の売買などのコストを含んだ実質コストや純資産額はいかのとおりとなっています。
期間 | 実質コスト(VOOの管理報酬を含む) | 純資産額 |
---|---|---|
2017/11/27〜2018/7/17 | 0.601% | 7億円 |
詳細については以下の記事をお読みください。
まとめ:新興国株式ならこれがおすすめ
このたび発売される「楽天・新興国株式インデックス・ファンド」についてまとめと私が感じることについてお話ししました。
コスト面で見ると全体的にコスト高だった他の新興国株式インデックスファンドをはるかに下回るローコストで投資できますので非常にオススメです。
これから新興国株式へ投資される方はこのファンドと他のファンドを比較しながら選択していただくといいと思います。
ETFのメリットのローコストという面とインデックスファンドの楽ちん取引の両面を併せもつ「楽天・バンガード・ファンド」をこれからもウォッチしていきたいですね。
では、またよろしくです!
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