財形貯蓄というものをご存知でしょうか。
これは給料天引きでつみたてることにより財産をつくっていくことができるというシステムです。
給料天引きであるために知らず知らずにためることができるため、新入社員の方やお金をためられない方にぴったりなシステムといえます。
この財形貯蓄ですが、大きく分けて3種類あります。
- 一般財形貯蓄
- 年金財形貯蓄
- 住宅財形貯蓄
これらの違いは目的に合致したばあい、得られた利息に税金がかかるかどうかというものです。
たとえば年金財形貯蓄の場合には年金としての引き出しの場合、住宅財形貯蓄の場合には住宅購入などの場合にはえられた利息に所得税などの税金がかからないメリットがあるというものです。
しかしながらこの低金利なご時世、財形貯蓄で得られる利息は非常に少ないのが現実です。
その割には引き出すのに高いハードルが設定されているのが年金・住宅財形貯蓄です。
これらのハードルの高さや利便性の高さから一般財形がおすすめと私は考えています。
今回はさまざまな種類の財形貯蓄のメリット・デメリットについてまとめました。そしてそのうえで一般財形がおすすめな理由についてご説明します。
一般財形をおすすめする理由
私は一般・年金・住宅とある3種類の財形のなかでは一般財形が一択であると思っています。
それでは私が一般財形をおすすめする理由はいかのとおりです。
- 使いみちが3種類の中でいちばん自由だから
- 強制貯蓄のシステムこそが一番の魅力だから
- 他の財形には魅力がないから
使い道がいちばん自由だから
なんといっても使い道が自由だからです。
一般財形は基本的には単なる積立預金です。
年金財形や住宅財形は目的が限定されていますので非常に使いにくい仕組みになっています。
ただでさえ一般財形でも解約はめんどくさいのにさらに目的まで限定されてしまうのって結構大変ですよ。
利息もほとんどつかないですが、元本を積み上げていくのには非常に役にたつシステムとなっています。
そのシステムは次にお話しする天引きにあります。
強制貯蓄のシステムこそいちばんの魅力
財形を利用するメリットとしてはやはりお給料から天引きされるという強制貯蓄システムを利用することであると思っています。
現状ではどの預金に預けていてもあるいは公社債を購入したとしてもえられる利息はごくわずかです。
まず利息は期待できないと思った方がいい。
それならば元本を増やすためのツールとして利用した方がいいのではないでしょうか。
お給料から天引きされるということで最初からなかったものとしているうちに
知らず知らずのうちに貯まっている、この効果こそが財形貯蓄のメリットです。
しかも解約するのがめんどくさいです。
会社と書類のやり取りをしなくてはいけませんので、手続きがちょっとややこしくなります。
そのために引き出すのをためらってしまうのも通常の積立預金よりもおすすめできるメリットですね。
他の財形には魅力がないから
冒頭に財形貯蓄には一般財形の他に年金・住宅財形があるとお話しました。
かつてのような金利が高い状況ならばこれらも非課税メリットがあり、使いみちがあったでしょう。
ところが、現在では金利というメリットは完全にうしなわれており、目的外利用をしたくても手続きに大きな手間とペナルティがかかるという非常に使いにくい状況となっています。
それならば、最初から一般財形での強制貯蓄システムを利用すると割り切ったほうが、使い勝手をそこそこに、かつ天引きという便利なシステムを利用すると考えるほうが魅力的と言えますね。
では、つぎにあらためて財形の種類についてお話したいと思います。
財形貯蓄の種類
つぎに財形貯蓄の種類からみてみたいと思います。
財形貯蓄は以下の3種類から構成されています。
詳細は以下のホームページに詳細が記載されていますのでごらんください。
一般財形貯蓄
まずご紹介するのが今回おすすめしている一般財形貯蓄です。
大雑把にいうと給料から天引きされる積立預金みたいなものです。
使い道は限定されないのですが、利息には通常の預金と同じように税金(20.315%)がかかってしまいます。
住宅財形貯蓄
つぎにご紹介するのが住宅財形貯蓄です。
これは家を建てる、リフォームするなどといった住まいに関する費用にあてるための財形制度です。
新築・改築などの目的に利用する場合に限り、年金財形と併せて元本550万円までは利息に税金がかかりません。
ちなみに住宅財形貯蓄が使えるのは建物を建てる場合のみですので、土地を購入するときには利用できませんので気をつけたいですね。
年金財形貯蓄
最後にご紹介するのが年金財形貯蓄です。
これは60歳以降に受け取ることを目的とした財形貯蓄です。
これも年金の一部として受け取る場合に限って住宅財形と併せて元本550万円までは利息に税金がかかりません。
ちなみに貯蓄型の場合だと550万円まで、保険型の場合だと385万円までが非課税となります。
住宅財形・年金財形ともに払い出しには制限が設けられています。
財形年金貯蓄の払い出しの制限
- 年金以外の払い出しを行うと、要件違反で非課税措置がなくなり、残額は「財形年金貯蓄」と認められません。
- 年金以外の払い出しを行うと、預貯金などの商品は、5年遡及課税で過去5年間(60ヶ月)の利子に課税されます。
- 年金以外の払い出しを行うと、保険などの商品は、差益について一時所得課税(差益-50万円控除)×1/2に総合課税となります。
- 災害や疾病など、やむを得ない理由での払い出しには、税務署長の確認が必要です。この場合、全額払い出しで解約となります(5年遡及課税のペナルティはありませんが、払出時の利子は課税)。
出典:財形HP
ことばは難しいですが、単純にいうと
目的外で利用すれば利息への非課税メリットはつかえないよ
ということです。
それ以外にも説明する手間が増えるなどめんどくさいこと盛りだくさんです。
では、つぎに年金・住宅財形はあまり意味がないと言い切ってしまっていますので、代替手段について考えてみたいと思います。
ほかの財形の代替手段について
冒頭でもお話ししましたが、年金財形と住宅財形は目的にあった利用する際には双方あわせて元本550万円までは利息が非課税になります。
現在のところ利息は非常に少なく、非課税であるメリットよりも目的外利用をしにくくなるというデメリットの方が上回っていると考えています。
私が一般財形をおすすめするいっぽうで他の2つの財形についてはどのような代替手段があるのか考えてみました。
年金財形はiDeCoで定期預金にした方がいい
これはまさに私は加入しなくていいと思う財形ですね。
将来歳をとったときのための預金ならiDeCo(個人型確定拠出年金)に加入して積立先を定期預金にした方がおトクとなります。
なぜならiDeCoに拠出した場合、その掛け金は全額所得から控除されて収めるべき税金(所得税・住民税)が安くなることで
支払ったお金が事実上戻ってくるメリットが発生するからです。
しかも受け取る利子も非課税です。
いっぽうで年金財形の場合はあくまで貯金ですのでそのような積み立てる元本の税制上のメリットはありません。
私はiDeCoにはリスク資産を買い付けるようにしていますが、定期預金(これがデフォの状態です)にしておけば効果は同じでメリットは絶大です。
あと、年金財形の場合には年金形式の引き出しに限りますので、60歳以上であったとしてもまとめて引き出しだと目的外の払い出しとなり、課税されますので気をつけたいですね。
結構罠がありますので注意しましょう。
住宅財形は一般財形で十分。
では、住宅財形はどうでしょうか。
現状の利率では正直なところ利息は見込めません。
財形の預け先でいちばん多い定期預金の場合利息は年0.01%程度です。
つまり550万円までいっぱいに預けたとしても利息は550円(課税前)です。
住宅財形のメリット(非課税分)は550万円あずけたとしても110円+α(復興特別税)くらいなものにすぎません。
その割には目的外利用には説明が必要だったり手続きがややこしかったりしますのでそのぶんの精神的なダメージが大きすぎると私は思います。
たった100円程度のためにそこまでするのは得策とは思えません。
これだったら一般財形にして利息が上がったら定期預金に預け替えのほうがマシではないでしょうか。
一般財形ならば利用目的の説明は不要ですので変にドキドキする心配もありません。
財形融資は一般財形でも受けられる
財形のメリットの一つの柱として財形持家転貸融資というものがあります。
財形にあずけている10倍までの金額を低利で融資していただけるというものですが、これは住宅財形だけではなく一般財形でもうけられます。
ですので融資を受けるつもりの場合でも一般財形にしておき、必要に応じて融資を受けるといいのではないかと考えています。
まとめ
今日は財形貯蓄には一般財形が一番おすすめということをお話ししました。
冒頭でもお話ししましたが、給料天引きのためしらずしらずのうちに貯まっていく財形はとてもいいシステムだと思います。
せっかくある制度ですから使わないともったいないですよね。
お勤め先で財形制度が導入されているのならばぜひ利用してみてはいかがでしょうか。
では、またよろしくです!
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