いわゆる「年金2,000万円問題」でクローズアップされているのがつみたて投資です。
報告書は2,000万円足りないとは一言も言っていないにもかかわらず、2,000万円という数字がインパクトがあったのか独り歩きしている印象を私は持っています。
そしてこのニュースを機会に自助努力をする必要性に駆られた方も多いのではないでしょうか。
あれだけ大騒ぎになったのですからつみたて投資で2,000万円をつくろうと考える方が多いのもわからないわけでもありません。
実際にネット証券の口座開設が増えているとか。
ただネット証券に口座を開設をして、つみたてNISA口座を開設し、つみたてを行ったからと言って必ず儲かるわけではありません。
2012年から現在まで大きな暴落もないマーケットになっていますので、暴落の経験をしたこともない方もいらっしゃると思います。
この記事では、つみたて投資は思ったほど甘くないよということについて考えてみたいと思います。
つみたて投資は甘くない
私は2003年頃から株式インデックスファンドによる積立投資を行ってきました。
失われた20年とか言われれている真っ最中で、リーマン・ショックを主とする「〇〇ショック」をたくさん経験しています。
そのときもひたすらドルコスト平均法による積み立て投資を行ってきました。
その経験で言えるのですが、積立投資でも資産の半減はありえると思っています。
インデックス投資を勉強するのにmyINDEXという素晴らしいサイトをご存知でしょうか。
ここでは好みのポートフォリオを組み立て、それにともなうリスクやリターンが分析ができます。
ここで、適当に先進国株式90%,日本株式10%というポートフォリオを作ってみました。
するとリスク(価値が変動すると思われる値。この2倍くらいは見ておいたほうがいいです)とリターンは以下の通りとなっています。
過去20年でリターンは年平均4.7%なのにたいしてリスクは18.1%という結果が出てきました。
この2倍の変動する可能性があるので、短期的には40%程度の価格変動が起こりうるということを覚悟しておいたほうがいいですね。
さらに辛い結果があります。
投資をしている方ならば知らない方はいない、リーマン・ショック期7ヶ月間のリターンの表がこちらです。
グラフが見にくいのでそれぞれのリターンをまとめてみました。
資産の種類 | グラフの色 | リターン(%) |
---|---|---|
現金 | なし | +0.2 |
日本株 | 水色 | -41.4 |
先進国株 | 濃紫 | -50.2 |
新興国株 | 紫 | -56 |
日本債券 | 濃緑 | +2.6 |
先進国債券 | 緑 | -17.1 |
新興国債券 | 黄緑 | -20.4 |
日本REIT | 濃茶 | -40 |
先進国REIT | 茶 | -62.3 |
新興国REIT | 黄土 | -31.7 |
コモディティ | 橙 | -66.7 |
金 | 黄 | -6.2 |
日本1:先進国9 | 灰 | -49.4 |
どうでしょう。
たった7ヶ月で先進国株式だと半減という結果となりました。
この結果は積立投資をするにあたっては想定しておくべきです。
どうしてもリターンばかり追いかけがちなのですが、このような最悪の結果がたった10年前にあったのですから短期的に資産半減ということを頭に入れておくべきではないでしょうか。
私の経験
このリーマン・ショックに私が投資していたときはどうだったのか思い出してみました。
正直なところはっきりと覚えていません。
それくらい衝撃が大きかったということですね。
私ができたことと言えば
- 積み立て投資の設定をしたまま放置
- 生活防衛資金の積み増しのため高金利定期預金の物色
ぐらいです。
日々暴落していく中でなすすべがなかったですし、ガンガン減っていく資産残高を直視できなかったんですね。
幸いリーマン・ショックの時期はまだリスク資産に投じていた金額も少なかったのです。
にもかかわらず、正視できなかったのですから今だったらどうだったろうかと思うと恐ろしくなってきます。
まとめ:短期的には資産半減を覚悟して投資しましょう
今回インデックス投資による積立投資は決して甘いものではなく、短期的には資産半減を覚悟して投資すべきであることについてお話ししました。
長期的にはリターンがあるとされており、実際に私の資産もアベノミクスのおかげで大きく増やすことができました。
ですので少しずつでも積立投資を行うことを私もおすすめしたいと思います。
ただ大きく増える可能性があるということは大きく損失が発生する可能性があるということです。
ですので過去の損失がどれくらいだったのかについては知った上で投資したほうがいいと思いますね。
忍耐が必要なのですが、じっくりと腰をおちつけて取り組めばリターンがあると私は信じて投資を行っています。
ちょっと暗い話なのですが、最悪のこともある程度考えて投資をしていきたいですね。
では、またよろしくです!
このことはインデックスブロガーの第一人者の水瀬ケンイチさんの著書でもくわしく取り上げられています。ご一読をおすすめします。
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