今日は個人向けの物価連動国債の発行が延期されているということについてお話しします。
物価連動国債とはインフレ下でも実質的な元本が維持されるという商品なのですが、現在ふたたびデフレになろうとしているなか全く人気がなく、売れないと判断されたようです。
そのような状況下であえてこの個人向けの物価連動国債について今日は考えてみたいと思います。
個人向け物価連動国債について
個人向け物価連動国債ということばに耳慣れない方も多いと思います。
個人向け国債はマイナス金利下でよく売れる商品となってきていますが、物価連動国債というもう一つの個人向けの国債の発行が計画されています。
物価連動国債とは
この物価連動国債とはどのようなものなのでしょうか。
端的にいうとインフレ対策がされた国債というものです。
この国債は元本が100として10年後に物価が2割上昇した場合、償還時に元本が100ではなく120になるというすごい代物です。
そのためインフレヘッジのために筆頭格というべき金融商品なんです。
今は投資信託を通してしか購入することができない
ところがこの物価連動国債、現状では機関投資家向けの金融商品となっています。
個人が購入しようとすれば現実的には投資信託を通しての購入のみとなっています。投資信託ですので当然ながら信託報酬がかかってきますのであまり魅力的ではありません。
たとえばこのようなファンドとなっています。
2017年に発行が計画されていた
いっぽうで財務省はこの物価連動国債を個人向けにも販売しようと計画していました。
扱い形式は新窓販国債と同じ扱いで、証券会社や銀行、ゆうちょ銀行などで販売できるようにする計画です。
個人向けの物価連動国債のすごい点はデフレになり物価が発行時より割り込んだ場合でも元本が減らないということです。
つまりインフレになると元本が増え、デフレになっても元本割れしない、物価連動国債の良い面のみをもった国債となる予定です。
そのためアベノミクス初頭の物価上昇時にはインフレ対策の切り札として私も期待していました。
詳しくは財務省の以下のリンクをご覧ください。
物価連動国債の新窓販における募集方法等について – 財務省(PDF)
計画では
- 元本10万円単位
- 償還金額は物価が上昇時には連動・発行時より割り込めば発行時の償還金額
- 新窓販国債と同じ扱いでの販売
となっています。
ひっそりと延期されていた
そういえば最近物価連動国債のことをきかないなぁと思っていました。
現在岡本和久さんの自分でやさしく殖やせる 「確定拠出年金」最良の運用術を再読していて、
物価連動国債のことについて扱われていましたので気になって調べてみました。
すると日本経済新聞に以下のような記事がひっそりとあり、発行が延期されていることを知りました。
理由がいろいろ書かれていますが、要は売れないと判断したのだと思います。
感じること
この物価連動国債について私が感じることをお話ししたいと思います。
デフレやマイナス金利であっても欲しい商品
個人向けの物価連動国債ですが、私も発行されたらぜひ購入したい金融商品です。
なぜなら通常の個人向け国債や預金はインフレ下では元本が実質的に減少していきます。
ところがこの物価連動国債はその心配がありません。
たとえ物価が急激に上昇したとしても元本の価値は守られるのです。
さらに個人向けの物価連動国債ではデフレになり物価が下落したときでも元本の金額は維持されるのでデフレ下ならばなおありがたい商品となります。
元本が10万円単位と個人向け国債(1万円単位)や新窓販国債(5万円単位)よりも必要な金額が多いものの、ぜひ持っておきたい金融商品であると私は考えています。
ぜひ販売してほしい
マイナス金利や事実上のインフレターゲットが失敗しているなかでこのようないわばインフレ期待の商品の販売は難しいと財務省は判断したのでしょうが、
私は販売されたらぜひ購入してみたいと考えています。
ただ新窓販国債と同じ扱いとなるため、変動金利とはならないため債券投資の方法をラダー型ポートフォリオにする必要があるとは思っています。
もし販売されることがわかればまたこのブログでも記事にしたいと思っています。
まとめ
今日は個人向けの物価連動国債がどうなっているかについてお話ししました。
結論では延期されていることなのですが、これからも販売が再開されるかどうかはウォッチしていきたいと思っています。
インフレ対策の有力な商品として私は投資信託ではなく、債券として持っていきたいと思っています。
ふたたびデフレに入ろうとしている状況ですが、このような金融商品もあるのだと知っていただけたら幸いです。
では、またよろしくです!
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