「業界最安値」を旗印にかかげて突き進んでいる三菱UFJ投信のインデックスファンドシリーズ”eMAXIS Slim”ですが、新しいファンドが登場することになりました。
それは、eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)というものです。
日本を除く全世界株式に投資するインデックスファンドは野村アセットマネジメントの野村つみたて外国株投信がローコストで有名でしたが、それよりも低いコストで参入していきました。
今回はこのeMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)についてみてみましょう。
eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)について
では、このeMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)がどのようなものかについて見てみたいと思います。
現在はまだ未発売の商品ですので、金融庁に届け出た「有価証券報告書」からどのようなものかについて調べてみました。
ちなみに、この資料ですがEDINETから検索できます。
信託報酬などコスト
まずは新しいファンドで一番気になるのが信託報酬等のコストですよね。
そこからまず見てみたいと思います。
信託報酬
信託報酬は税込み年間0.1536%(税抜き年0.142%)と外国株式に投資するインデックスファンドとしては驚異的な安さとなっています。
ちなみにライバルの野村つみたて外国株投信の信託報酬が税込み0.2052%となっていますのでそれよりも約0.05%低い信託報酬となっているところがポイントです。
そのため、コストが気になる方は翌年度以降の投資をおすすめします。
この信託報酬の配分は以下の表となっています。
特徴的なのは純資産額が増えるにつれて、委託会社である三菱UFJ投信の取り分がわずかずつ減っていくという点です。
ファンドの純資産総額 | 合計 | 委託会社(三菱UFJ投信) | 販売会社(証券会社など) | 受託会社(信託銀行) |
---|---|---|---|---|
500億円未満の部分 | 0.142% | 0.061% | 0.061% | 0.02% |
500億円以上1,000億円未満の部分 | 0.137% | 0.056% | 0.061% | 0.02% |
1,000億円以上の部分 | 0.132% | 0.051% | 0.061% | 0.02% |
ただ、三菱UFJ投信の取り分が減るといっても500億円以上からです。
通常インデックスファンドは500億円もの純資産総額になるものはほとんどなく、eMAXISシリーズのなかで一番純資産総額が高いeMAXIS 新興国株式インデックスでも純資産は351億円ですので気にする必要はありません。
申込手数料・解約手数料
申込手数料・解約手数料はともにかかりません。
いわゆるノーロード投資信託です。
信託財産留保額
「信託財産留保額」は、投資信託を解約する際にファンド側に支払ういわば手切れ金です。
この信託財産留保額もかかりません。
ちなみにeMAXISシリーズでもSlimではないものにはこの信託財産留保額がかかってきますので注意が必要です。
たとえば、eMAXIS 新興国株式インデックスの場合、0.3%の信託財産留保額が基準価額から割り引かれ、解約する口数をかけた金額が解約金額となります。
販売会社・発売日
つぎに販売会社と発売日についてご紹介します。
販売会社 | 発売日 |
---|---|
楽天証券 | 2018.3.23 |
まず発売されるのは楽天証券さんからですね。
通常だとこのあと、SBI証券さんやマネックス証券さんも追随する傾向がありますので、楽天証券以外の証券会社を使っている方はもう少し様子を見ていただけたらと思います。
ベンチマークについて
ベンチマークは日本以外の世界株式の値動きを示す以下の指標となっています。
となっていますが、実際には以下の指数を組み合わせて指数に合わせるようになります。
先進国株式:MSCIコクサイ・インデックス
新興国株式:MSCIエマージング・マーケット・インデックス
指数の詳細については以下のページにまとめています。
為替ヘッジ
このファンドは為替ヘッジはおこないません。
為替ヘッジは相場の変動に為替の要因を入れないようにするものなのですが、コストがかかるため、最近のファンドでは為替ヘッジは入れられていません。
ですので、このファンドの基準価額の変動要因に円高・円安といった為替の影響もふくまれます。
為替の変動要因を基準価額の影響から除きたい場合は「為替ヘッジ」型の投資信託を選んでいただけたら思います。
このような方におすすめします
ここまではこのeMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)についてどのようなものかご紹介しました。
つぎにどのような方がおすすめなのかについて考えてみました。
国内は個別株・海外はインデックスファンドに投資する方
国内は個別株に投資しているが、海外株に投資したいが面倒くさい方がいちばんオススメなのではないかと思います。
これ以外にも、国内株は日経平均のインデックスファンドなどTOPIX連動型以外の国内株式インデックスファンドに投資しているかたなどもおすすめします。
日本以外の全世界株式に0.15%という超ローコストで投資できますので、オススメです。
全世界株式の配当三重課税が嫌な方
日本を含む全世界株式に投資するインデックスファンドとして以下のようなものがあります。
- 楽天・全世界株式インデックス・ファンド
- EXE-iつみたてグローバル(中小型含む)株式ファンド
- 全世界株式インデックスファンド
これらは非常に簡単に日本を含む全世界株式に投資ができますが、配当が三重課税されるという欠点が指摘されています。
私はそこまで目くじらを立てる必要はなく、気になる方は海外ETFに直接投資し、外国税額控除で取り戻したほうがいいのではないかと思っていますが、
このファンドを利用した場合、配当は二重課税と多少はましとなりますので、気になる方はこのファンドをおすすめします。
まとめ:日本を除く全世界株式ファンドも競争が激化
今回は三菱UFJ投信が発売するeMAXIS Slim全世界株式(除く日本)についてレビューしました。
従来、このタイプのファンドは野村アセットマネジメントの野村つみたて外国株投信の独壇場でした。
そこに殴り込みを掛ける形で登場することになります。
野村つみたて外国株投信もローコストで日本を除く全世界株式に投資することができるため魅力的なファンドなのですが、さらにローコストで投資することができることになります。
わざわざ乗り換える必要はないのですが、新たに投資をされるかたはeMAXIS Slim全世界株式(除く日本)にしたほうがよりコストが低いためオススメです。
このような形で大手投信会社同士の競争は利用者にとって非常にありがたいと思いますので、投資家の方は賢く利用していきたいですね。
では、またよろしくです!
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