先日日本証券業協会主催の「投資の日」イベントにさんかしてきました。そこでのメインイベントとして澤上篤人さんの講演がありました
そこでいろいろと感じたことがありましたので備忘録的に書いてみたいと思います。
澤上篤人さんの講演の要旨
今こそ株を買う時代!
澤上さんは以前からさわかみファンドを運営されていて現在は経営の第一線からは退かれているようですが、ここでもでてきました。
「今は株を買う時代」という論理ですが、確か・・・・
私が投資している15年間ずっとこのことを言われていたような気がします。
40年以上のキャリアを積まれていての話でしょうが、
やはり「さわかみ節」は健在であったと思います。
債券投資なんて愚の骨頂!
去年あたりから年金運用でもGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)によるポートフォリオが50%株式となっていますが、
それでも50%が債券に割合が割かれています。
この債券投資は暴落の恐れがあるのでやめたほうがいいとのことでした。
今はマイナス金利やゼロ金利のため債券価格が高止まりしているが債券価格が暴落する(つまり利率が急上昇する)のは非常に恐ろしい。
かつて(石油ショックの時代など)の債券投資が冬の時代を経験しているので今の人は債券投資の恐ろしさがわかっていないとのことです。
分散はだめ
このように債券価格が暴落するきざしのある中での分散投資は意味がない、
株式100%にしなさい。ある意味潔い(?)意見です。
しかも、数銘柄を集中して投資しなさいとのことでした。
インデックス神話を信じるな
インデックスファンドは澤上さんは言葉を選ばれていましたが「クソ株」が混じっているからインデックスファンドなんかは買ってはいけない。もっとアクティブにいくべきだとスタンスでした。
結局「応援したい株を買え」
そこで問題となるのが銘柄選考の話ですが、PERやPBRの話は一切なし!
銘柄選考の方法は「応援したい企業の株を買うこと」
自分からみて割安で放置されている株を見つけ出して買いなさいとサクッと簡単に言われていました。
それでも私は資産を分散させます
澤上さんの話を聞いて感じたのですが、15年前にさわかみファンドを運用されていた時からなにも変わっていないなというのが第一の感想でした。
さらに銘柄選定の方法も「応援したい企業の株を買う」という昔から言われていることをさも当たり前のようにさらりと言われていたのはさすがだと思いました。
これで撃沈していった個人投資家は多いはずです。
株式を100%という考えはわかります。
時間が味方をしてくれるし期待リターンも他の投資手段よりも高いのは株式を置いて他はありません。
しかしながら右も左も分からない投資初心者に株式100%、
銘柄は「割安で放置されている銘柄(ただし選定方法は「応援したい企業」のみ)」を数銘柄買いなさいでは過酷すぎないかという印象をもちました。
そこで「長期投資」いう魔法の呪文が登場するのでしょう。この呪文さえ唱えていれば暴落していてもいつかは復活するから大丈夫だよと言えますからね。
講演を聞いての感想は以上なのですが、私は澤上さんの話を聞いて一層「分散投資」をすすめていくことに自信を持ちました。
何があるかわからない
澤上さんほどではありませんが私も株式投資を15年ほど続けてきましていろいろなことがありました。
日本株に関しては良かったことといえばここ数年のアベノミクス相場のみで、
それ以外の期間はほぼ暴落してばかりです。投資しても投資しても報われない、
預貯金のほうがましなのではという状態が長く続きました。
ですので日本株(アクティブ)一点投資は非常に危険であると思っています。
投資の世界はいい意味でも悪い意味でも「何があるかわからない」世界ですので、
世界中のプロの機関投資家がしのぎを削っているなかでど素人な私が投資の世界で生き延びていくためには、
インデックス投資を中心とした分散投資が必要であると思っています。
分散投資はリターンもそがれることがあるかもしれませんが、
幅広い資産に網を張っておくことが逆に網を張らなかったための機会損失もさけられます。
ミスターマーケットは株式市場で激しく踊りまくる
「ミスターマーケット」という言葉があります。
かつての投資家ベンジャミン・グレアムが「賢明なる投資家」という本で名付けた名前なのですが、
株価というものはそのときどきで激しく変動していきます。
出来事などで暴落したりあるいは暴騰したりと扱うのは非常に大変です。
素人投資家の私なんか本当に振り回されて落ち込んで喜んでと本当に大変なものです。
一方で債券市場にいるミスターマーケットは能を舞う
一方で債券市場にいるミスターマーケットは普段はゆっくりと舞い、
そして動くときには激しく動くまさに「能」のようなものではないかと感じています。
この2つの「ミスターマーケット」と上手に付き合うことが投資をしていくうえで生き延びる大切な考えだと感じています。
インデックスだけではつまらない。でもインデックスメインでないと耐えられない。
運用業界に長年携わってこられた澤上さんならば何てことがないのでしょうが、
私たち個人投資家は機関投資家と比較して資本や経験が少なくゲームオーバーの可能性が高いものです。
何としてもゲームオーバーは避けなければならないのです。
そのためにはいろいろな資産に投資をしていくこと、
そして銘柄も幅広く投資をしていくことが必要です。
澤上さんのおっしゃる「応援したい企業の株を買う」ことを私は否定はしません。
しかし、さまざまな資産を分散投資させた運用の土台を築いた上でオプションとして買える程度まで資産を積み上げたあとならいいんじゃないのという条件です。
私もインデックス投資だけではなくFXもしていますが、
これからは相場が下がっても泣かない、ゲームオーバーしない金額で個別株も買っていこうと思っています。
現在十分に分散された資産に投資することができていますのでちょっとは個別株を買う経験も積んでおきたいと考えています。
まとめ
お一人で「さわかみファンド」を作られて運用資産が下がったとはいえ、
2000億円ものファンドを作られた長期投資のカリスマである澤上さんの話はとても面白く、
しかもわざわざ東京へ行って話を聞くのではなく家から自転車で行けるところで実際にお目に書かれたのはとてもいい機会でした。
一方で参加者は50〜60代の方が多く、澤上さんのキャラクターを知っているのならいいのですが、
投資もしたことのない方に「株式100%」という意見をずばっと言っちゃっていいのかなという不安も感じました。
そのため「夜ぐっすり眠れるだけにしてくださいね」としきりに言われていましたが。
これだけなんだか否定的なことをたくさん書きましたが、
ちょっとだけでも個別株投資をしようかな・・・・・?という気持ちにもなりました。
では、またよろしくです!
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