国際分散投資をされる方にとってよく使われる言葉として「無リスク資産」という言葉があります。
教科書的な配分だと「無リスク資産とリスク資産の資産配分には気をつけましょう」ということを耳にされることがよくありますよね。
そのようななかで無リスク資産とはなんだろうとよく考えるのですが、判断が分かれるものといて「個人向け国債(変動10年)」がどうなのだろうかということを今更ながらに考えてみました。
個人向け国債(変動10)は無リスク資産だと考える理由
私は個人向け国債(変動10年)は無リスク資産だと考えています。
いくつか理由があるのですが、以下の理由にまとまります。
- 国債暴落にある程度はついていけるから
- 預金保険と国債とどちらが安全なのか
では、それぞれについてみてみましょう。
国債暴落にある程度はついていけるから
通常の国債ははっきり言うとリスク資産です。
というのは株式ほどではありませんが、途中売却については市場で売却することが必要であることから値動きがあり、それによって価格が変動するからです。
長期金利(=10年もの固定金利の国債の利率)が上昇すると今まで持っている安い金利の国債の価格が下落します。
数年前のギリシャのように金利が急上昇すると持っている国債の価値が暴落してしまいますよね。
これは持っている国債の利率に比べて新しく発行される国債の金利が高いため途中で売却すると損をしてしまうことにななるからです。
その割合は長期金利が1%上昇すると価格は10%程度下落します。
ここまでが債券投資の掟ですね。
ただ、これは国債の金利が固定金利のため起こってしまうことです。
一方で変動10年の個人向け国債は変動金利となっている奇妙な国債なんですね。
長期金利が上昇するとそれにともなって金利が上昇します。
個人向け国債の金利は10年もの固定金利国債の3分の2になりますので、ある程度の金利の上昇にはついていけます。
購入後1年間は売却ができませんが、その後はいつでも全額ではなく一部の売却もすることが可能です。
しかも途中売却もペナルティとして過去2回分の利子は差し引かれますが、元本は全額国が買い取ってくれます。
これが固定金利の国債とは異なる特徴となっています。
預金保険と国債とどちらが安全なのか
無リスク資産の代表格といえるものが定期預金です。
預金は基本的には預金保険に守られていて元本保証ということになっています。
ただ、これにはいくつかのワナがあります。
定期預金にかかわらず普通預金も含めて
合算して1000万円とその利息までしか保護しないという制限が。
一方で個人向け国債は1000万円以上でも「日本国政府が約束を反故にしない限り」元本と利息は保証されます。
この約束を反故にしない限りということがリスク資産と考える根拠になるのだと思うのですが、このような状態になったときには預金保険もどうなっているのかわからないと私は思ってしまうのですね。
私はおめでたいやつかもしれませんが、国債の信頼度と預金の信頼度は以下の通りと考えています。
国債の信頼度>>預金の信頼度
つまり国債の信頼度が損なわれているような事態ではたして預金の信頼は保たれているのだろうかということを考えてしまうのです。
まとめ:無リスク資産の定義は難しい
このような意見を書いてみて感じるのですが、本当に無リスク資産とは何かを考えると難しいですね。
どの資産をリスクと考えることは人それぞれだと思いますし、リスク許容度も人それぞれだと思います。
私はたまたま個人向け国債の変動10年は無リスク資産だと考えましたが、それ以外の国債はリスク資産だと考えています。
国債ひとつをとってみても非常にあいまいで難しいものだと感じざるを得ません。
この記事を最後まで読んでいただいた後はご自身にとって考えられる無リスク資産はどのようなものかを考えていただければと思います。
今日は私にとって個人向け国債が無リスク資産だと考えていることについてお話ししました。
この記事が参考になれば幸いです。
では、またよろしくです!
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